〈流年轻度,闲影旧游〉
{置顶}【论坛推广】BL(耽美)向论坛推广推荐~
陌上舞烟 发表于 2030-08-16 21:46:23
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此论坛开办不久~但是很有潜力~汉化出的也比较快~论坛内部活动也比较多~初期可能比较好混哦~
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スローリズム(野島健児×前野智昭) 台本听写 TRACK 5
陌上舞烟 发表于 2011-01-19 21:26:01
坚持到最后轨了~字母部分不放上来…欢迎指错~
TRACK 5
水森秋人:(何がそれほど引っかかるのか分らないまま、僕が落ち着かない一日を過ごした。何か大事なものを無くしてしまったような、このままでいいのかという思いが、絶えず胸の中に渦巻いていた。)
堀田雅光:ご馳走様でした。
店員:ありがとうございました。
堀田雅光:水森さん、凄い早いピッチでしたね、どうしたんですか?
水森秋人:どうもしないよ。堀田、俺んちでのまないか?
堀田雅光:え?まだ飲むんですか?俺、既に限界近くまで飲んでるけど。
水森秋人:今夜は、朝まで飲むっていったろう、黙って付き合い!
堀田雅光:ええ……(なにをやけになってるんだか、この先輩は)
堀田雅光:水森さん、本当にどうしたんですか?
水森秋人:だから、どうもしないよ。日本酒、冷でいいなあ?
堀田雅光:ああ、すみません。(お酒を注ぐ)はい、水森さんも……(お酒を注ぐ)矢萩さんと何かあったんですか。
水森秋人:別に何もないよ。俺とあいつは本当になんでもないの、お前は誤解してる。
堀田雅光:本当に?じゃ~俺が水森さんに迫っても、全然オーケーなわけだ。
水森秋人:お前は矢萩への対抗心って言ってるんだろう、分ってるんだよ。
堀田雅光:そんなことないですよ。ねぇ~水森さん、いい加減惚けるのなしにしませんか。俺、水森さんが何か考えてるのか知りたいですよ。
水森秋人:惚けるも何もないよ。俺は、夕べ、改めて矢萩に「友達でいよう」って言われたばかりなんだから。はら、酒、グラス開いてる。
(お酒を注ぐ)
堀田雅光:ああ…溢れ……本当ですか?
水森秋人:本当だよ、あいつ今、休暇取っててさ、昨日家に来て、その話をしていたんだ。で、今日は木田の所に泊まってるよ。
堀田雅光:信じられない……そ、それは、矢萩さんが告白して振られたってことですか?
水森秋人:違うよ、告白とかそんなじゃなくて、元からそういうんじゃなかったんだ。確かに、俺と矢萩が親しいよ。これからも、それが変わらない。
堀田雅光:それでいいんですか?
水森秋人:いいもなにも、こういうのは、相手がいなきゃ、どうしようもないんだろう、一人で頑張っても……
堀田雅光:どうして一人で頑張れないんですか!
水森秋人:ちょっと、堀田、お前、目が据わって……
堀田雅光:そんなの……ずるいですよ、俺は、水森さんに相手にされなくたってこんなに頑張ってるじゃないですか!
水森秋人:……なに言ってるんだ。お前は、酔ってるだろう。
堀田雅光:酔ってないですよ、こんなの、矢萩さんは、可哀相じゃないですか。
水森秋人:何が可哀相だ。あいつの方から友達でっていってきたんだぞ。それに、大体、お前どっちの味……ああ、お前……危ない!グラス割れて……
堀田雅光:俺は、矢萩さんの味方で、すきなのは、水森さんです!
水森秋人:分った、分ったから、俺の上から退けよ。
堀田雅光:分ってないですよ、俺、矢萩さんへの対抗心だけで、こんなこと言ってるんじゃないですよ、水森さんと知り合ってもう何年になると思ってるんですか?
水森秋人:俺にどうしろっていうんだよ。
堀田雅光:キスしてください。そうしたら、諦めるから……
水森秋人:駄目だ。
堀田雅光:おふざけでもいいんです。矢萩さんが酔っ払ってしたみたいに……
水森秋人:駄目だ。俺はできないよ。
堀田雅光:まいったな。即答だもんな、すこしも悩んでくれないんですね。
水森秋人:悩んでないわけじゃない。
堀田雅光:分ってますよ。ショックで酔いも覚めたな。でも、水森さん、一人で頑張ってもしょうがいないっていうけど、今まで、矢萩さんは、一人で、頑張ってきたんですよ。一度ぐらい水森さんの方が必死になったっていいじゃないですか、。
水森秋人:あいつが、ずっと友達でって言ったんだ。それに、一体なにを頑張ったって言うんだ。
堀田雅光:……あの人、水森さんのこと好きですよ。俺見たいにキスしてもおうとか、なにかしてもらおうって望んでるわけじゃない、唯、ずっと好きなだけなんだ。普通、そんなふうに、なんの見返りもなく、人のこと好きでいられる訳じゃないですか。側にいるの……頑張りでもしなきゃ、辛いだけじゃないですか。俺ねぇ、先矢萩さんの見方だっていたけど、複雑ですよ。でも、そうやって二人が微妙な関係のままでいられたら、こっちは邪念を抱いてしょうがないんだから、見てられないですよ。
水森秋人:(笑う)お前にまで心配されてるか?
堀田雅光:なに笑ってるんですか?
水森秋人:いや、お前さ、いい後輩だと思って……
堀田雅光:振られ野郎はさっさと退散しますけど、矢萩さん、呼び戻し方がいいですよ。木田さんのとこに電話でもして……
水森秋人:分ってる。俺の方から、矢萩のところにいくよ。
水森秋人:(線路沿いの道をゆっくりと歩く、まだ電車は走っていたけれども、木田の所に着くまでに、こころの準備をする時間が欲しかった。)なにを、どう伝えよう。(お前だけは好きにならない、その一言、僕は、逃げ道口実にしていた。何より、僕自身の心が、いつだって矢萩の方を向いていたのに、ずっと見てみぬふりをしていた。)
矢萩……
(一体なにをやってるんだろうって、振り返る暇もなく思うこともしばしばで、知りたくないことは知らないままで逃げてしまうことも多くて、それでも、気が付くと、あいつは、どうしだんだろうって考えてる……耳の中には、奴の声が張り付いていて、一度触れただけの温もりが、忘れられなくて、だから……)
雨……矢萩……もしもし
矢萩智彦:水森、今どこにいる?
水森秋人:どこって、外だけど……
矢萩智彦:だから、どこだ!すぐ行くから!いま、木田の車を借りて出てるんだ。どこら辺かを教えてくれればすぐ行けるから。
水森秋人:……ええと、踏み切りの側、三丁目の。
矢萩智彦:水森!
水森秋人:……矢萩!
矢萩智彦:水森。大丈夫か、何された?
水森秋人;ええ……なにって?
矢萩智彦:堀田が電話してたんだ、酔った弾みで水森に変な真似をしてしまったって、ショックを受けたお前が、木田の家に向かってから探してくれって……
水森秋人:(あいつめ……)
矢萩智彦:どうしたんだよ、何されたんだ。
水森秋人:(笑い)
矢萩智彦:水森?
水森秋人:どうしてそんなに向きになる?俺が、堀田に何をされたのか、そんなに心配?なんで、友達だから?そんなに血相を変えて、どうして、お前は俺のところにやってくるんだよ。
矢萩智彦:――無事なら、それでいいんだ。
水森秋人:俺は……いやだからな。友達だけで終わるなんで絶対にいやだからな。お前一人で勝手に納得されたって、こっちは納得いかない!
矢萩智彦:水森……
水森秋人:言えよ!なにか!俺に言うことがあるはずだろう!何で何も言わないままで決着付けようとするんだよ!俺は、お前にとって、知らんふりして、気持ちを隠して、そのままやり過ごせるような存在なのか!
矢萩智彦:友達だったら、いいと思ったんだ……友達だったら、壊れることもないで、お前は、俺にとって、特別な存在だよ……だから、友達とか、それ以上とか、そんなことはどうでもいい、ずっと付き合っていけるなら、他にも何も望んでいない。
水森秋人:本当に……それでいい……お前は俺のこと……
矢萩智彦:駄目だ、お前に何か言ったら、俺は、心臓が潰れてしまう……
水森秋人:矢萩……
矢萩智彦:これ以上……意地の悪いことを言わないでくれよ。俺は……お前のこと……お守りみたいに思ってるって言っただろう。だから、無くさないようにしようって……俺は、決めたんだ、ほかの奴ならいい、だけど、お前だけは駄目だ。
水森秋人:俺……だけは……
矢萩智彦:そう、お前だけは――水森秋人:矢萩……俺には、ちゃんと伝わってる、お前だけは好きにならないって、俺だけが、好きだってことなんだろう、白状しろうよ、いい加減、俺が好きだって。お前が口説かないなら、俺がお前を口説くよ。――お前が好きだ。
矢萩智彦:水森……愛してる。
(この部分を省略する)
水森秋人:すみません……はい……よろしくお願いします。
矢萩智彦:休んだんだ?
水森秋人:休んだよ。
矢萩智彦:体、しんどい?
水森秋人:誰のせいだと思ってるんだ。
矢萩智彦:俺もしんどいよ、随分頑張ったからな。
水森秋人:黙れ!
矢萩智彦:水森が綺麗だからさ、美人相手だと、当社比三倍くらいであつくなるんだよね。
水森秋人:ふざけるなよ。
矢萩智彦:だから、それがもう承知のはずでしょうって、俺と何年付き合ってるんだっけ、水森さんは。
(打ち合い?)
矢萩智彦:やったな。
水森秋人:(何も変わらない、抱き合っても、抱き合わなくても、側にいても、離れていても、僕は、矢萩のことを考えている、僕と矢萩の仲は……変わらない。)
矢萩智彦:水森……
水森秋人:んん?
矢萩智彦:そんなに怒らないでさ、もう一眠りしようよ。
水森秋人:言われなくても寝るよ。
矢萩智彦:水森……
水森秋人:何だよ。
矢萩智彦:(笑う)こら……
水森秋人:なに笑ってるんだよ。
矢萩智彦:痛い、痛い……考えてた。
水森秋人:なにを?
矢萩智彦:水森のことを考えてた。ずっと……だけど、こんなふうになれるとは思ってなかった。夢じゃないかな。
水森秋人:夢じゃない。(僕もずっと考えていた、何時しか耳に張り付いて消えないメロディーのように、ずっと繰り返しに流れていたもの、それは優しく、ゆっくりと、けれども確実に、僕の心を揺らし、躍らせて……矢萩のことを、こんなふうに幸せな気持ちで見つめる日のことを。)
(キス)
愛してる。
(ずっとずっと考えていた。そして、今もう考えている、愛してるなんて一言では、とても足りなくて、僕は、お前のことをずっと考えている。)
―――終わり
スローリズム(野島健児×前野智昭) 台本听写 TRACK 4
陌上舞烟 发表于 2011-01-18 21:37:55
TRACK 4
水森秋人:んん、十一時か……今週も電話来ないか。(矢萩からの連絡がこない、矢萩は、僕の部屋に駆けつけてきたのは、五月の終わり、それから連絡がないまま、日々は過ぎた。)雨か……もう、梅雨に入るなあ。
堀田雅光:水森さん、最近、矢萩さんにあってます?
水森秋人:いや。
(ウェートレス:コーヒ、お待たせいたしました、ごゆっくりどうぞ。)
堀田雅光:俺もちょっとご無沙汰だがら、メールしたんですよ。そうしたら、矢萩さん、転職考えてるっていってましたよ、今の会社、あまりにも異動が多いから。都内で雇ってくれるところ探して、弁理士の資格取るみたいです。
水森秋人:そうか……(知らなかった、今までの真っ先に俺が聞かされたはずなのに。)
堀田雅光:まったく、できる人が羨ましいですね。
水森秋人:お前も優秀じゃないか、同期の中じゃ一番だって部長がいってたよ。
堀田雅光:……でも、俺と矢萩さんだったら、水森さんは矢萩さんの方を評価するでしょう。
水森秋人:仕事は違うだろう、矢萩と比べてどうするよ。
堀田雅光:なんか、水森さんには認められたいって気になりますよね。水森さんは、いつもきちんと物事を考えてるようにみえるから。
水森秋人:大した事なんか考えてやしないよ。(食って寝る以外の時間は、殆ど仕事に割いて、ふっと仕事を忘れ時に思い浮かぶのは、矢萩のことだ。)
水森秋人:(嘆き)(相変わらず、矢萩からの電話はない、こちらから連絡すればいいのに、もうしこす、もうすこしと延ばしている自分がいた。どうかしているなあ、気がつくと、あの日、矢萩に抱きしめられた感触を繰り返し思い出している。優しくて、力強い圧迫感、しらなかった。矢萩が、あんなふうに人抱きしめるなんて、あんなふうに切なげにふれてくるなんて、俺は変われない、矢萩とは、友達だ。ずっとそう思っていたのに、今更どうしたというんだろう、答えも出ないまま、矢萩のことばかり考えている。)
(矢萩智彦:水森、ずっとそのことを考えてたわけ。)
水森秋人:(考えてるよ、ずっと考えてる。静かすぎる夜、唯一人の男のことを考えて、僕は、眠れない。)矢萩、いま、なにをしている。
木田修二:披露宴で、水森ちゃんか矢萩に、学生時代の友人っていう事で、スピーチ頼みたいんだけど、どう?
水森秋人:俺は嫌だよ、喋るのは、矢萩向きだろう。
木田修二:そうか、じゃ、矢萩に当たってみるか。
水森秋人:ところでさ……木田、最近矢萩に連絡取ってる?
木田修二:うん?ついこの前でんわしたけど……
水森秋人:なにか言ってた、ずっと忙しかったから、俺、連絡してなくて。
木田修二:そういや、親父の具合が悪いとかいってたっけ、そんなに深刻な話でもなかったけど、ちょっと入院したとか。……聞いてなかった?
水森秋人:聞いてない……
木田修二:どうしたの、変な顔して。矢萩と何かあった。
水森秋人:なにかって……
木田修二:(笑う)あれわけないか、矢萩にそんな度胸あるはずないもんな、水森ちゃんに関しては、特にさ。
水森秋人:お前も……そう思うのか。
木田修二:そうって?
水森秋人:だから、この前飲んだときにも、何か言いたげったじゃないか。
木田修二:矢萩が水森ちゃんを好きだってこと?そりゃ誰だってそう思うよ。
水森秋人:なんだよ、それ、俺は、あいつに何も言われたことないんだぞ。なのに、なにをどうしろっていうの。
木田修二:あ……そう、でも、言われなくても、矢萩はかなり態度に出しる方だと思うけど。それでも、無視してるから、水森に脈がないんだと思ってたよ。まあ、男同士だしな、だから、この間も、彼女作れっていたんだけど。)
水森秋人:(木田は知っている、堀田も感じている、僕自身も気づかないふりをしていたけれど。)
俺、わからないんだよ、あいつは、おれにどうしろって言うんだよ、あいつは、俺のこと、一体なんだと思っているんだ。
木田修二:あのねぇ、恋愛なんて、ガーッてこの場の勢いや盛り上がりでいくところがあるわけ、二人とも頭で考えすぎ、だから、前に進めないんだよ。すこし、馬鹿になりゃいいじゃん。まあ、俺も、結婚したら、恋愛戦線から離脱しちゃうんだよなあとか思ったら、つい人のことが気になっちゃってさ。
水森秋人:だけど、俺はあいつに最初に言われたんだ。『俺は男がすきだけど、お前だけは好きにならない』って。
木田修二:『お前だけは』って言われたの?
水森秋人:ああ。
木田修二:(笑う)そりゃ、しょうがいないよ。矢萩は、度胸がないんだから、水森ちゃん、その後、十年以上も付き合ってて、矢萩が本当は何を言いたかったのだか、分りそうなもんじゃない。
水森秋人:この降りじゃ、傘差しても意味ないが、すこし雨宿りするか。
(携帯が鳴る)
はい……
矢萩智彦:水森、久しぶり、元気?
水森秋人:何の用だよ。
矢萩智彦:そんなに怖い声を出さないでくれるかな。あのさ、これから水森んとこいってもいいかな。俺、今日から休暇取ってて、しばらく泊めてほしんだけど。
水森秋人:……なんで?
矢萩智彦:都合が悪いなら、他の奴とこ泊まるから、突然で悪かった。
水森秋人:(他の奴の所にいかれたら、また一人で矢萩のことを考えてしまう、唯一の雨音を聞きながら……)待ってよ。
矢萩智彦:で、雨の音でよく聞こえない。
水森秋人:いいよ、こいよ……会いたい、いま、何処にいるんだよ。
矢萩智彦:もうアパートの近くにいる、途中のコンビにのところ。
矢萩智彦:シャワー借りて悪いな。ずぶ濡れたんだって、さっぱりしたよ。
水森秋人:座るよ、ビール缶のままでいい?
矢萩智彦:んん。
水森秋人:親父さんの具合が悪いんだって。
矢萩智彦:なんだ、情報がはやいなあ。まあ、大したことないんだけど、なんとか、実家に帰ってた、いろいろお説教されてね、自分の行く末について、しみじみ考えてたよ。
水森秋人:……タバコもらっていい?
矢萩智彦:水森、タバコ吸うんだっけ。
水森秋人:吸わないけど、偶にね。
矢萩智彦:知らなかった。水森のことは、何でも知ってると思ってたのに。俺の知らない水森がまだいたんだ。
水森秋人:気持ち悪いこというなよ。(いつも通りの軽口、なのに、タバコでも吸っていないと、ふとした瞬間に手が振るえてしまいそうで、やってられない。)で、人生の行く末を考えた上で、今日は転職活動?
矢萩智彦:俺のあと付けてたのか?
水森秋人:馬鹿いえ、堀田にいったら、ばらしてくださいって言ってるようなもんだろう。
矢萩智彦:そりゃそうだ。
水森秋人:弁理士の資格も取るんだって。
矢萩智彦:そっちの方が先になるかもしれないな、今の会社に不満があるわけじゃないけど、やっぱりあちこちに動かされるのがね。俺としては、友たちが多いこっちで過ごしたい。
水森秋人:なるほどね。(そうやって、お前は、自分のやりたいように、着実にことを進めるわけだ。こっちが、あれこれ悩んでいた時に。)「苦笑い」お前がは、凄いな。
矢萩智彦:なんだよ、急に。
水森秋人:いや、本当、お前は、俺のことを冷静だなんていうけど、お前の方が全然上手。この間さ、堀田とも話してたんだ。
矢萩智彦:そんな話してるわけ?堀田と。
水森秋人:あいつは、お前に対抗心ばりばりだもん。でも、その実、憧れてるんじゃないの、できる男の矢萩先輩に。
矢萩智彦:やめてくれよ。
水森秋人:なんで?何もしていないようで、人一倍努力してて、ちゃんと結果に繋がってる。俺も、尊敬してるけどな、お前のそいうとこ。
矢萩智彦:今日の水森さんは、優しすぎて、気持ち悪いな。
水森秋人:お前は凄い……凄いよ。(そうでなきゃ、俺が、一人の人間のことをいつも考えるわけはないだろう。)
矢萩智彦:別に凄くなんかないよ、人間ってさ、基本的に食って寝て、セックスしてるだけだろう。俺も、そんなだよ。
水森秋人:そんなもんかな。
矢萩智彦:そんなもんだよ。
(タバコを吸う)
水森秋人:んん~
矢萩智彦:いや、俺もちゃんと考えてるさ、それ以外の大事なことも……
水森秋人:(大事なことって……)それで、忙しかったわけだ?
矢萩智彦:ああ、だから水森の所に電話もできなかった。まあ、俺からの電話がなくて、清清してたんだろうけど。
水森秋人:いや……寂しかったよ、お前の声が、なんだか、恋しくなっちゃってさ。
矢萩智彦:(黙る)
水森秋人:(おい、矢萩、そこは黙り込むところじゃないだろう。)
矢萩智彦:電話しようと思えば、できたんだ。
水森秋人:え?
矢萩智彦:何となく、掛け辛くてさ、この間のことで、水森が怒ってるんじゃないかと思ったから。
水森秋人:怒るって、俺は?なんで?
矢萩智彦:何も気にしてないのか?
水森秋人:何を?俺が怒るようなこと、お前は何もしてないだろう。
矢萩智彦:そうか、俺が弱った水森を抱きしめたこと、何も気にしてないんだ。なんだ……そうか、それなら、もっと抱き締めて、いろいろなとこ触っておくんだった。
水森秋人:いろいろって、なんだよ。
矢萩智彦:……御免な。
水森秋人:んん?
矢萩智彦:俺、あの時どうかしててさ。水森が具合わるいって分ってたから、どうにか冷静になれたけど、正直、抱きしめた時は、かなりやばくて、あの後も、感触が忘れられなくてさ、まいったよ。
水森秋人:(唇が震える、謝られるとは、思ってもみなかった。)
矢萩智彦:前にも、こんな話をしたかもしれないけど、俺は自分が思っていることを表現するのが下手なんだ。考えなしに行動して、いつも後悔する。でも、水森に関しては、後悔したくない、だから何度も言ってきたのにな、お前にだけはそんな気持ちにならないって。俺は、お前とは、一生付き合っていきたいと思ってる。そのぐらい大切だし、いい友達だと思ってるから。
水森秋人:(それは違う、俺の考えてることとは違う。だけど、今更……)矢萩、お前も、いつもと違っておかしいじゃないか。「笑い」なんだか、今日は、褒め殺し大会みたいだな。
矢萩智彦:(笑い)そうだな。
水森秋人:お前さ、今日はわざわざ友達宣言しに来たわけ?俺たち、何も変わってないだろう、俺も、お前が大事だよ。無くしたくない。(そんな華麗な言葉で全部片付けて、綺麗すぎで、僕には崩せない、矢萩にも、崩せない……それがよくわかった。)
矢萩智彦:……明日は、木田の所に泊まる。
水森秋人:ああ……(ずっと友達で、一生付き合っていく、いいとも、それこそ、僕が最初に望んだことだった。)
スローリズム(野島健児×前野智昭) 台本听写 TRACK 3
陌上舞烟 发表于 2011-01-17 23:08:11
TRACK 3
堀田雅光:そういや、木田さん結婚するんですってね。
水森秋人:(驚き)誰から聞いた。
堀田雅光:木田さんからですよ、水森を合コンにさそったら、怒られたっていうから、なんでですかって訪ねたら。「いや、結婚する奴は合コンするんじゃねぇよ」って。
水森秋人:木田のやつ、情報管理がお粗末過ぎる。
堀田雅光:それで、水森さん達も誘って、お祝いで飲みに行きましょうよって話しになってるんですけど、早速今週末はどうですか。
水森秋人:いいよ。
堀田雅光:なんですか、俺、水森さんにそんなふうに見られると、ドキドキするんだけど。
水森秋人:お前さ。(もしかして、俺に妙な気抱いてない。)
堀田雅光:はい?
水森秋人:いや、お前、どうして合コンなんか出るわけ?持てるだろうに。
堀田雅光:どう…して……今の台詞、そのまま水森さんに返しますよ。水森さん、今まで長く付き合った彼女っていないんじゃないですか。自分から行くこともないし、いつも自然消滅。どうしてですか、誰か好きな人でも?
水森秋人:なんでそれをお前にいわなきゃならないわけ、しけた社食で、あじフライ定食つづきながらさ。
堀田雅光:気になるんです、恋愛なんか興味ないって冷めた顔をしている水森さんが、どうしてその人、修道士みたいに禁欲的なのかなって。
水森秋人:なに馬鹿なことをばかりいってるんだよ。
堀田雅光:俺、水森さん相手だと、本当に馬鹿なこといっちゃうんですよね。なんででしょうね。
水森秋人:(こいつ、前にも増して怪しげなことをいってないか、きっとこの場に矢萩がいったら、意地悪く目を光らせて、堀田を睨むんだろうな。)
「笑い声」
堀田雅光:なに笑ってんですか、嫌なひとだな。俺がなにをいっても動じないんだからな。いい加減凹みますよ。
水森秋人:(五月も終わりに近いその週末、待ち合わせた料理屋の座敷で、僕と顔合わせた木田は、何も言ってくれるなと目で制した。寸前「すんぜん」に堀田の口から、周囲に、木田結婚の報が流れたらしい。)
堀田雅光:それにしても、矢萩さんが来られないなんて残念ですね。
水森秋人:少し疲れが貯まってるから、遠慮しとくっていってた。
木田修二:栃木からだもんなあ、無理強いはできないよな。
水森秋人:(堀田は怪しげなことをばかりいって困るからといって頼めば、多分無理をしてても、矢萩は来たかもしれない、でも……)
堀田雅光:俺は、木田さんがこんなに早く結婚すると思わなかったですよ。
木田修二:お前らもすぐだって、気が付いたら、逃げられないようになってるんな、これが。
堀田雅光:(笑い)それが本音ですか、でも、お前らもって言われても、俺がどうかな。水森さんなんて、もっとどうなのかなって思うけど。
木田修二:水森は持てるだろう。
堀田雅光:この人なかなか本音をぶちまけてくれないんですよ。
木田修二:そりゃは無理だろう、お前に本音ぶちまけたら、皆に言い触らされるじゃん。
堀田雅光:ひといなあ。
水森秋人:だって、本当のことだろう。
堀田雅光:おお……水森さんにそういわれると、俺、本当できついって、つれないんだから。
木田修二:おいおい、堀田、お前、水森に惚れてんの、そりゃだめだって、無駄な努力。なあ、水森ちゃん。
水森秋人:そのとおり。
堀田雅光:じゃあ~矢萩さんなんか、もう何年も無駄の努力続けてるわけだ、分ってって放置してるなあ、水森さんって、ちょっと残酷ですよね。
木田修二:おい~水森さんって矢萩が仲がいいからって僻むなよ。
堀田雅光:誰だって分ることじゃないですか、ばればれですよ。……はい、ちょっと今店のなかなんて……
木田修二:全く、しょうがないやつだ。
堀田雅光:……そうだな。
木田修二:水森ちゃんさ、早くちゃんとした彼女作りなよ。そうすりゃ、あんなこと言われなくてすむよ。合コンが嫌だったら、俺がちゃんと紹介してもいいからさ。
水森秋人:なんだよ、急に改まって。
木田修二:いや、俺がずっと考えてたことなんだけど。水森が落ち着いた方がさ、その方がいいような気がして、いろいろな意味でさ。
水森秋人:(木田が合コンに誘ってくるのは、そういう意味があったのか、堀田よりも長い付きあいでそばにいって、木田が気付いていないはずはない。いや、そもそも、何に気づいているっていうんだ。)
木田修二:まあ、俺は水森ちゃんがいいなら、それでいいんだけどね。ちゃっとトイレへ行くから。
堀田雅光:おお、水森さん、いい飲みぷっりですね。
水森秋人:飲まなきゃいられないようなことをいうからだよ。
堀田雅光:自棄酒なら、やめたほうがいいですよ。さきは、すみませんでした、変なこと言って、だけど、どうしても気になっちゃうんですよね。矢萩さんと水森さんのこと。これで、嫉妬なんですかね。
水森秋人:(皆わかってるようなことばかりいって、何がわかってるんだ、当の本人たちにさえ、わからないっていうのに、気が付くと、僕は矢萩のことばかり考えている、どうしていつもあいつのことを考えなくてはならないんだろう、それが不思議でしょうがなくて、切なくて、愛…しくて。)
堀田雅光:大丈夫ですか。
水森秋人:送ってくれてありがとう。いいよ、帰っていい。
堀田雅光:そうですか。
水森秋人:(これじゃ追い返したみたいだな、堀田の腕って、妙に熱かった。なにをやってるんだよな、俺は、後輩相手にこんな妙な緊張感を覚えて、大体、矢萩がきて、側にいってくれれば……)
(電話をする)
(留守番電話録音:留守番電話サービスセンタに接続します。)
(電話を切る)
水森秋人:くそ。(本当に、何をやってるんだろう。しっかりしろよ、いい年して……)
(電話が鳴る)
水森秋人:はい。
矢萩智彦:御免、電話くれた?さっき帰ってきて風呂にはいっててさ。
水森秋人:仕事してたんだ、今まで。
矢萩智彦:ああ、仕事場と寮が近いってだめだよな、どうしたんだよ、今夜は木田たちと飲みにいってたんだろう。
水森秋人:ああ、そう。(忙しいなら、すぐに掛けてこなくても、くだらない電話なのに。)
矢萩智彦:なんだよ、どうした。
水森秋人:なんかさ、お前に、電話したくなっちゃって、木田たちにあったらさ。ああ、悪い、俺すこしよってて。(まともに話せないなら、電話を切ってしまえばいい、だけど、切りたくない、繋がっていたい、矢萩と。)
矢萩智彦:水森?具合は悪いのか?
水森秋人:最悪だ……
矢萩智彦:え?聞こえない、何いってるんだよ。
水森秋人:馬鹿やろう……側にいってくれよ、側にいってくれよ!あいたい。
(電話をきる)
水森秋人:誰だ、また朝の六時だっていうのに。
(ドアを開ける)
矢萩……
矢萩智彦:大丈夫か、お前、なんなんだよ、あの変な電話は。
水森秋人:嫌、ちょ……どうしたんだ、何でここはいるんだ。
矢萩智彦:どうしたって、あのな……人が折角掛け付けたっていうのに、最初に出てくるく言葉はそれか、水森は本当に私にやさしくないよな。
水森秋人:車で……
矢萩智彦:そう、(タバコを吸う)夜中にあんな電話されちゃ、気になるだろう、酔ってるんだろうと思ったけどさ、心配になって、楽に眠れないまま、車を二時間以上も飛ばして駆けつけてみれば、何でいるんだって睨まれるんだから、この落とし前をどうつけてくるんでしょうね、水森さんは。
水森秋人:勝手に来たくせに。
矢萩智彦:おお、そいうこという。
水森秋人:酔っ払いの戯れ事ぐらい、聞き流せばいいだろう。
矢萩智彦:そりゃ、普通なら、無視するさ、だけど、お前は……
水森秋人:(あいたいって、声に出して言ってたのか。)
矢萩智彦:まあ、いいけどな、兎に角、腹減ったから、なんか食っていい。お前も召し食うだろう。
水森秋人:ワイシャツのまま寝たんだな、着替えるか。
(くしゃみをする)矢萩がそばにいる、このまま、不自然そうなお互いの胸の内を押し込めればいつもと変わらない時間が流れていきそうだった、あいたいなんて、夜中に声を絞り出してしまうような痛い思いをすべて消し去って……)
矢萩智彦:水森、飯できたよ。
水森秋人:朝から、野菜炒めなんて変じゃないか。
矢萩智彦:まあ、そういうなよ、寮は自炊できないから、つらいんだよな、自分で作る塩加減が懐かしくからさ。
水森秋人:んん……うまい。
矢萩智彦:それはそれは、水森さんのお口にあってよっかたよ。
水森秋人:悪かったよ、勝手にきたなんていって、有難う、心配してくれて。
矢萩智彦:その言葉を、一番最初にいってくれたら、俺は感激して泣いてしまうとこだけどな、危なかった。
水森秋人:お前しつこいぞ。
矢萩智彦:敵わないよな。水森のいうことは、いつも正しいから。
水森秋人:なにがだよ。
矢萩智彦;そうやってさ、何気ない一言が、全部俺の心に突き刺さるわけ、朝から野菜炒めなんて変って言われれば、そうだし。何でここにいるんだって言われれば、俺自身も説明できない、お負けに俺は、確かにしつこいしな。
水森秋人:俺、そんなにきついこといってるか。
矢萩智彦:そうじゃないよ、お前は常に冷静な判断を下すからさ、人に言われたことない?口説く自信なくすから、きついこと言わないでくださいって。俺も水森に対しては、自信ないは、口説けないよ。
水森秋人:口説かなくて結構だよ。
矢萩智彦:そうだな、だからさ、お前に否定されたら、つらいだろうな。
水森秋人:(なぜだろう、あの夏の明け方を思い出す、矢萩の思い詰めたような瞳。)矢萩、(くしゃみをする)
矢萩智彦:どうした、風邪引いた?
水森秋人:んん、それっぱいかな。
矢萩智彦:熱は?
水森秋人:じっとりしてないな。
矢萩智彦:んん?
水森秋人:昨日、堀田にアパートまで送ってもらたんだ、やつは俺のこと支えてくれたんだけど、手のひらからじっとりとした感触というか、妙な熱が伝わてきて、気持ち悪くて。こうして、お前なら平気なんだけど。
矢萩智彦:そりゃ、堀田は、水森に下心あるだろうし。
水森秋人:お前は……
矢萩智彦:そんなものないよ。水森?
水森秋人:だるいから、すこし……(矢萩の体から、薄いシャツ越しに感じる体温、ふんわりしたたおるみたいだ。)
矢萩智彦:水森は意地悪だな、そんなふうにくっ付かれると、さすがにやばい。俺だって、男なんだけど、しかも、男が好きな。
水森秋人:だって、お前は、俺には、何もしないんだろう。
矢萩智彦:そりゃ……しないけど、水森にそんなふうにされると、俺は考えなしのことをしていまいそうになるから、それが、すこし、怖い。
水森秋人:(怖い、友達以上の距離でふれることが)熱い。
矢萩智彦:水森、やっぱり、熱がでるみたいだな。
水森秋人:(息は……できない。)
矢萩智彦:ちゃんとベッドで眠ったほうがいい。
水森秋人:(何……何をいってるんだ、いつまで抱き絞めてるんだよ。こんな、恋人みたいに、どうせいつものように、すぐにふざけるで冗談にしてしまうくせに。熱い、あの夏の明け方、もし目を覚ますのが、もう少しおそかったら、お前はどうした、はっきり知っているのは、お前だけは好きにならない、その言葉だけで。だから、僕は、矢萩の腕の中で、動けない。)
スローリズム(野島健児×前野智昭) 台本听写 TRACK 2
陌上舞烟 发表于 2011-01-16 16:58:25
以下听写中有多处错误,欢迎指错~
TRACK 2
(矢萩智彦:金曜日に本社で会議があるから帰りに飲もう。)
水森秋人:(電話で矢萩から誘い受けたその日、会議の進行状況を知らせる矢萩からのメールをチェックしながら、僕も会社で貯まっている仕事を片付けていた。「携帯が鳴る」会議が長引いてる、待ち合わせは一時間延期。コーヒでも飲むか。大学を卒業して早五年、僕も、矢萩とは違い所だが、電気メーカーに勤めている。高校に続き、大学も学部も一緒、同じ業界になるのも当然だ。)
堀田雅光:水森さん、
水森秋人:堀田、お疲れ。(同じ部署の堀田雅光は、大学時代の後輩だ。矢萩とも、木田とも、付き合いがある。百八十センチを超える長身だが、甘い顔立ちや、その素振りや、愛玩犬のようであり、木田が幹事をする、合コンメンバーの常連だ。)
堀田雅光:未だ帰らないんですか。折角の金曜日だって言うのに。
水森秋人:下のこといえないんだろう。お前だって、残ってるんじゃないか。
堀田雅光:寂しい者同士、飲みにでも行きますか。
水森秋人:矢萩は、会議でこっちに来てるんだ。これから、飯行く約束してるんだけど、お前も来る。
堀田雅光:矢萩さんですか……遠慮してきますよ。矢萩さんは水森さんと二人きりがいいんだろうし。
水森秋人:何いってるんだよ。
堀田雅光:本当ですよ。あの人は俺が水森さんにくっつていると、さりげなーく意地悪をするんですよ。あの爽やかな顔でにっこり笑いながら。
水森秋人:そりゃ、お前の被害妄想。
堀田雅光:水森さんはね、矢萩さんの本性を知らないんですよ。ゴールデンウェークにあの人、皆の家を泊まり歩いてたじゃないですか。俺の家に泊まった時、あの人酔ってなにしたとおもいます?
水森秋人:下品なエロ話だろう。
堀田雅光:俺ね、キースされたんですよ。
水森秋人:はあ?
堀田雅光:かなりまじなやつ。それって。俺が水森さんには会社で可愛がってもらってますって言った後ですよ、べろんべろんに酔って矢萩さんの目が、こうキラリーンって意地悪く光って。
水森秋人:脚色するなよ。
堀田雅光:いや、本当ですよ。一瞬焦ったなあ。他の奴にもいたからよかったけど、あの人は、本気であいうモードになったら怖いですね。
水森秋人:だって、おふざけだろう。
堀田雅光:でもね、凄くうまかったですよ。
水森秋人:(矢萩はゲイだとはっきり知っているのは、仲間内では、僕と木田だげだが、堀田も薄々感ずているらしい、だからなのか、堀田は、何かと僕と矢萩のなかを疑うような探りを入れてくる。)
それで、お前は、俺からどんな言葉を引き出そうとしてるよ。
堀田雅光:え?いや、水森さんも矢萩さんとそいうこと、したことあるのかなと思って。
水森秋人:馬鹿じゃないのか。
堀田雅光:今度、二人きりでゆっくり飲みに行きましょうよ。ねえ、水森先輩。
水森秋人:なんなんだ、あいつ、可愛い愛玩犬だと思って油断していると、堀田は危険だ。全く、僕の周りには、妙なやつが多すぎる。
矢萩智彦:俺が堀田に意地悪してるって、それは被害妄想ってやつだろう。
水森秋人:俺もそういっておいたけどさ、今日も誘ったら、遠慮してくって言われた
矢萩智彦:全く、あいつはいつも俺を悪者にして、水森に泣きついて。
水森秋人:(会議で疲れて用が少しぐらいやつれた方が男が上がって見えるんだから、矢萩はつくづく特なやつだ、頭がよくて男前、尚且つ、わざとらしいところがなく自然体、そのさり気なさ決まりすぎていて、時々、こいつは意識してやってるんじゃないかと思うことがある。)
矢萩智彦:まあ、だけど、あながち外れてもないかもな。俺も無意識の内に、あいつに意地の悪いことをいっているかもしれない。
水森秋人:その笑顔が怖いって言われてるぞ。
矢萩智彦:あいつ、偶に生意気だからさ、可愛がりたくなる時があるだよね。
水森秋人:キースしたんだって、酔って泊まった時。
矢萩智彦:そんな事もいったの、悪いやつだな。
水森秋人:後輩に手を出すなよ。
矢萩智彦:出してませんてば。なんだよ、水森、やきもちやいてんの?
水森秋人:心配してるんだとう、あいつ、お前が妙なことしたら、嬉々としていって回るぞ。可愛いけど、抜け目ないから。
矢萩智彦:そうかもな。俺は、堀田をかわいなんていってる、水森の方が心配、正直なとこ。
水森秋人:どういう意味だよ。
矢萩智彦:そうやって惚けてんのか、本当に訳わかってないのか。水森、美人だからさ、堀田が興味もってるのも、そこだと思うよ。矢萩さんってゲイっぱいけど、水森さん、やられちゃったりしているのかな、矢萩さんがokなら、俺でもいけるんじゃ……
水森秋人:ふざけたことばかりいってるなよ。
矢萩智彦:あれ?俺、かなり正確に堀田の心理を読んだつもりだったんだけど。
水森秋人:やめろったら、仲間内でそいうの。
矢萩智彦:御免ごめん、冗談だよ、何でもそっちに結びつけちゃいけないよな。でも、最初にいったことは本当、水森は美人だからさ、堀田は何だかんだといってくるだよ。
水森秋人:(嘘つけ、お前は本当のことなんて、一つもいやしない癖に、いつもふざけてばかりで。)堀田言ってたよ、お前のキースがうまかったって。
矢萩智彦:ゴホンゴホン、え?なに?
水森秋人:キースがうまかったってさ。俺にどうのこうのって言うより、堀田は意識してるのは、お前なんじゃないの。
矢萩智彦:どうしたんだよ、今日の水森はやけに意地悪なんだな、久しぶりにあったのに。
堀田の戯れ言なんて真に受けないで、偶には、私にも優しくしてくださいよ、水森さん。
水森秋人:(僕を前にして黙り込む時、矢萩はいつもの飄々とした表情を消して、少し物憂げに笑って見せる。それは、なにか言いたいことを噛み締めるようにも見えて。)
お前、ちょっと疲れた顔しているよな。仕事、きついのか。
矢萩智彦:んん…内は特許が弱いんからね。その点、お宅の所なか羨ましいですよ、ライセンスビジネス、強化してるじゃないですか。
水森秋人:やめようよ、おい
矢萩智彦:なんだよ、お前が振ってきたんだろう。
(二人は大笑い)
水森秋人:そういえば、栃木の寮ってさ、壁薄いの?この間の電話で、お前隣の奴が歌ってるのが、聞こえてくるって、いってただろう。
矢萩智彦:もう丸聞こえ、そりゃ、なんだっけ、あの曲、今もなんフレーズか頭に残ってる、こういうやつ、わかる?
(ハミングしている)
水森秋人:お前に歌われると、余計わからない。
矢萩智彦:あのさ、こういう音だけじゃなくて、口にしているんのと、頭の中にあるものが違うってこと、あるだろう。表現能力が不足しているのか、コピーと同じく情報の劣化が生じるのか、俺は人間の伝達能力の限界を感じるよ。
水森秋人:何を屁理屈いってるんだ、お前は音痴なだけじゃないか。
矢萩智彦:まあ、そういう言い方もあるね。だけどさ、俺は基本的にそうなんだよ。
水森秋人:なにが?
矢萩智彦:こう……自分の気持ちをストレートを表現できる奴って、俺にしてみりゃ天才だね。陶酔しきった、自作の歌歌ってる奴なんかも、一番幸せな人種なんじゃないのか。俺も、若い時に、「バンドやてまーす」みたうな、恥知らずで健全な青春を謳歌するべきだった。
水森秋人:お前は、自分の望み通り、男だらけの高校と男だらけの大学で、青春謳歌したじゃないか。
矢萩智彦:確かに、快適だったけどさ、結構真面目に勉強しちゃって、会社に入っても、畑違いの分野をまたまた真面目に勉強しちゃって、五年もいったいなにをやってたんだか、俺は
自分の優秀さと勤勉さを呪うよ。
水森秋人:(一体何をやってたんだか、そして、今もなにをやってるんだか、俺もだけど。)
(嘆き)今日はやけに弱音吐いてるじゃんか、もし、恥知らずな春謳歌してたら、お前は、何を表現したかったわけ。
矢萩智彦:それは、とても個人的なこと、お守りみたいなものだから。
水森秋人:お守り?
矢萩智彦:お守りは開けちゃだめだろう、だから、どう伝えたらいいのか分からない。
水森秋人:(そう言えば、初めて口を聞いた時、矢萩が柄にもなくもっていたっけ、「合格祈願」のお守り。)それと、恥知らずになることと、どう繋がるんだよ。
矢萩智彦:分からなくていいんだよ、わかったら、困るんだから。実はさ、今日の昼間、木田にばったり会ってさ、未だ皆には伝えないっていっただけど、お前はきいた。
水森秋人:何が?
矢萩智彦:あいつ、結婚するんだってさ。
水森秋人:……そうか。
矢萩智彦:あまり驚かないんだな。あの木田が結婚するんなんてさ、どういうことなんだよな。
水森秋人:(飲むペースが速いと思ったけど、矢萩が酔いたがっているのは、そのせいか。悲しいわけじゃない、もちろん、僻んでいるわけでもない、けれども、皆でワイワイやっていた遊び場所から、また一人去ってしまうような寂寥感、僕もすこしばかり、酔いたい気分になった。)
(木田に電話をして、酔っ払いを引き受けてくれというと、最初抵抗したものの、「結婚するんだって?」の一言で、大人しく駅まで迎えに来た。)
木田修二:あ~あ、矢萩、限度を知らない飲み方するよなあ。
水森秋人:早く引き取ってくれない、こいつは、重い。
木田修二:ほら、矢萩、車まで。
矢萩智彦:後十円たりねぇ。
木田修二:水森も俺の所に泊まっていけば?
水森秋人:嫌だよ、結婚するってやつのそぼになんか、要られるか。
木田修二:は~、そういうこという。もだ他の連中には、内証にしておいてよ。堀田なんかに知られたら、あっと言う間に広がるから。
水森秋人:そりゃいいけどさ、お前は、結婚するってやつが合コンやってんじゃねぇよ。
木田修二:いや、あれは、実際、同僚のためにやってるんよ。
水森秋人:どうだか、今夜は、ちょっと一人で考えだいことがあるから、酔っ払いの世話を押し付けて、ごめんな。――おめでと。
木田修二:おう、サンキュ。じゃなあ~
(車内放送:内線電車、間もなく発車します。)
水森秋人:(息が弾む)間に合った。眠いな。(矢萩が凭れ掛かっていた肩から、整髪料の匂いがして、鼻を擽った。大学の時、やはり矢萩が酔い潰れて僕の部屋に泊まったことがあった。暑い夏の夜、あの日は、一晩中扇風機が回っていた。)
水森秋人:……矢萩
(明け方近く、何かの気配を感じて、ふと目を覚ますと、矢萩が脇に膝を付いて、僕の顔を覗き込んでいた。その体から発せられる行き場のない熱量に、僕は眩暈を覚えた。)
どうしたの?
矢萩智彦:寝苦しくてさ、起きたんだよ。俺、夕べはすっかり酔っちゃったみたいだな。御免な、迷惑かけて。
水森秋人:(先ほど眼にした、矢萩の何処か思いつめたような瞳を思い返して、胸の動悸が激しくなった、不自然に張り詰めた苦境、何とかしたくて)
矢萩智彦:俺、散歩してくる。
水森秋人:先……襲われると思うよ。
矢萩智彦:ば~か~お前には、そんなことしないよ。
水森秋人:俺には?
矢萩智彦:そう、お前にだぎゃ。
水森秋人:(あの時、矢萩はどんな顔をして、あの台詞をいっていたのだろう。あの時の僕は、その顔を見たくなっかた、知りたくなかった、何も、考えたくなくて)
(車内放送:間もなく到着いたします、何方様もお忘れ物などこざいませんようお気をつけてください。)
水森秋人:夢か……
(お前はだけは好きにならない、矢萩はそういいながら、僕の側にいる。毎週掛かってくる電話は習慣になり、その声は、僕の耳のなかに住み着いている。何か問題があるのか、ずっとこのままで、ずっとこのままでいたいのに……)




